こんにちは、猫のたまです。
今月は、2023年10月に行ったベルギーワロン地方への旅の記事をお届けします。
四国ほどの大きさの国ベルギーは、オランダ語圏の北部フランダース地方とフランス語圏の南部ワロン地方に分かれています(ドイツとの国境近くには小さいながらもドイツ語圏もあります)。首都のブリュッセルは地理的にはフランダース地方にありますが、8割の市民がフランス語を話します。そんな複雑な国になってしまったのは、ベルギーが英国も含めたヨーロッパのちょうど真ん中位にあり、昔から地政学的な影響を大きく受けてきたからなのです。
そんな前置きはさておき、ブリュッセルを車で出発して約半時間、ワーテルローにやってきました。昔、英国に住んでいた猫のたまが、「ワーテルロー」と言って真っ先に思い浮かべるのは、ロンドンのウォータールー駅(ワーテルローの英語読み)なのですが、本家本元はベルギーにあります。
ここはヨーロッパ版天下分け目の戦い「ワーテルローの戦い」が行われた場所なのです。フランスのナポレオン1世が率いるフランス軍を英国・ネーデルランド(現在のオランダ・ベルギー)・プロシア(現在のドイツ)からなる連合軍が破り、フランスの英雄だったナポレオンはこの戦いを機に失脚。それまでフランス領だったネーデルランドは独立し、その後、ベルギーはネーデルランドからも独立して一つの国家となったのです。
ワーテルローの「ライオンの丘」は、この戦いで亡くなった兵士たちを偲び、1824-26年に造られたものです。高さ41メートルの丘の頂上には、地球儀を守るライオンの像があり、ヨーロッパの平和を象徴しています。226段の階段を、息を切らしながら登ると、主戦場だった平原を見渡すことができます。
丘の周りには、当時の兵士たちが野営をしていた様子を再現した小道具や、実際にデモンストレーションしてくれる兵士役のスタッフもいて、なかなか、楽しめました。また、隣接する施設には、戦いの背景や歴史、巨大ジオラマなどがあり、歴史フリークにはたまらにゃいスポットでした。