オランダでは花は決して贅沢品ではなく、日常を彩るちょっとした生活必需品と言っても良いかもしれません。一番人気があるのは実はチューリップでなく、基本的に、温室栽培で通年出回っているバラだそうです。金曜日には、花束を抱えた人々が家路に急ぐ姿をよく見かけます。
そんなオランダの花のある暮らしを支えているのが、世界最大の花市場です。ここでは、オランダで生産された生花だけではなく、取扱量の8割はオランダ国外で生産され、オランダを経由して、また国外へ輸出されるというグローバルな卸売市場。アムステルダム・スキポール空港近くのアールスメアにあり、一般の方が見学できるコースもあります。イースターやクリスマスなどの時期はデコレーション用の花が多く出回って、季節感を感じることができます。平日の朝7時から見学できますが、週始めの朝早い時間に行ったほうが花の取引量も多いのでおすすめですよ。頑張って早起きしましょう!
アースルメアで早朝に取引された花は、午後にはヨーロッパ各地のお花屋さんに並びます。オランダのお花屋さんを覗くと、切花の新鮮さと安さに目を見張ります。オランダ人はお気に入りのパン屋さん、チーズ屋さんと共に、お気に入りのお花屋さんを決めている人が多くいます。街を歩くと、お花屋さんも多く見かけますし、屋外で曜日毎に開催されるマーケットでも花の屋台をよく見かけます。ちょっとした感謝のしるしに、友人の家に招かれた時、何かの記念日に、ブーケはいつでも大活躍します。オランダでは、意外にガソリンスタンドや駅構内の売店のお花屋さんの売上が一番大きいそうです。回転率が高く新鮮な花がいつも入手できるというのが魅力なのかもしれませんね。