こんにちは、猫のたまです。
今月の旅は、先月に続き、数年前に行った冬の北欧への旅をお届けします。
猫のたまと日本人ジャーナリストの一行は、降りしきる雪の中、何とかトロンハイム駅まで到着し、ここで夜行列車を駅のホームで待ちました。ところが、悪天候のため、オスロ発ボーデ行きの夜行列車は、待てど暮らせど、到着しません。ホームに少しだけある風よけ(この場合は雪よけでしたが)でひたすら待つこと1時間余り。結局、夜11時発の列車が入線してきたのは深夜を少し回った時刻。夜行列車の自分の寝台に入った時は、心底ホッとしました。
寒さと疲れで寝台に横たわった瞬間に深い眠りにつきましたが、数時間後に列車が止まる感覚があり、目が覚めました。寝台列車は動いている時はぐっすり眠れるのですが、駅などで停車すると目が覚めることがよくあります。何故か、ずっと停車しているのが不思議ではあったのですが、うとうとしていると、車掌さんが、ドアをドンドンと叩き起こしにきたのです。何と、大雪のため、この先、列車が動かない、というのです。ボードーまで振替輸送のバスを手配したので、全員、下車して乗り換えるように!今すぐ!他の人たちも全員起こして!と、、、、。
多分、夜中の2時か3時頃だったと思います。慌てて身の回りのものをかき集め、スーツケースに詰め込み、どこの駅だかもわからないホームに降り立つと、積雪30センチくらいでした。とにかく、急いで!というので、停車中のバスに乗り込むと、どうやら私たちのグループが最後だったらしく、満員のバスはすぐに発車しました。
さて、そこからが大変です。ノルウェーという国は人口が約500万人、国土は日本と同じくらいで縦に長いのです。この日、バスに乗ってからの移動距離は多分800キロくらい。東京から山口くらいまで、ずーっとバスに乗っていました。たまを叩き起こしにきた車掌さんも隣の席に座って一緒に移動。「まあ、旅はこんなこともあるよねぇ。こんな大雪は滅多にないけどね、、」などと、四方山話をしながら、ひたすらバスで移動。
猫のたま達グループはボーデの手前のフォースケでバスを降り、別のバスに乗り換えて、ソルトストラウメンの渦潮を見に行きました。そして、また、ひたすらバスに乗り、ナルヴィークまで移動。
この時期の北欧は白夜の反対の極夜。太陽が昇ったと思うと、すぐ、薄暗くなりあっという間にお日様が沈みます。結局、20時間くらいバスに乗り、やっとナルヴィークに着いたのは夜の9時くらい。ベッドに横たわった瞬間に深い眠りにつきました。
Photos: Thanks to ©️Hironori Shikano