こんにちは、猫のたまです。
ヨーロッパには息を呑むような絶景を楽しめる鉄道がいくつかありますが、たまが実際に乗った鉄道で尻尾を巻くほど息を呑んだ鉄道を今月はお届けしたいと思います。
まずは、オーストリアのウィーン郊外から乗るセメリンク鉄道。世界で初めてアルプスを越えた山岳鉄道として1998年にはUNESCO世界遺産にも登録されています。完成したのは1854年。当時は建設機械もなかったでしょうから大変な工事だったと思いますが、設計者のカール・ゲガさんは山岳鉄道につきものの急勾配やカーブなどの難点を克服。僅か6 年で完工したすごい路線なのです。
トンネルが15、高架橋が16もあり、特に二重構造になっている高架橋はとても100年以上前に作られたとは思えないほどの立派な構造物。ゴトゴトと山を登っていく山岳鉄道ですが、ヨーロッパの他の景勝列車と違って普通のローカル線扱い。予約も追加料金も不要。ウィーンから日帰りで行ける手軽さも良いですにゃん。
ウィーンからグラーツ行きの列車に乗って、グログニッツという駅からミュルツツーシュラクまでの約40kmの区間が世界遺産に指定されているセメリンク鉄道です。数年前に猫のたまが訪れた初秋のセメリンク駅は生憎のお天気。カフェに入ってホットコーヒーで暖を取りました。周辺には整備されたハイキングルートがいくつもあるので、晴れていたらきっと絶景が楽しめたはず、と再訪を誓ったのでした。
現在、この路線のバイバスとして、セメリンク・ベース・トンネルを2027年以降の完成を目指して建設中だそうです。そうなると、現在2時間半ほどかかっているウィーンからグラーツまでの区間の所要時間がわずか30分ほどになるということで、便利にはなるけど、セメリンク鉄道はどうなるのかなぁと心配している猫のたまです。