
こんにちは、猫のたまです。
今月は、猫のたまお気に入りの街、ウィーンの思い出話をあれこれ綴りたいと思います。
3度目のウィーン訪問は確か2003年頃。友人が旦那さんの転勤でウィーンに引っ越したので遊びに行ったのです。たまの友人曰く、ウィーン市民は、ウィーンで話されているドイツ語こそが本来のドイツ語だと思っていて、気位の高い人が多い、保守的な街、だと言っていました。今は、LGBTQにも寛容なオープンな街というイメージなので、随分、変わったんですね。
この時の旅の目的は、以前見逃した、クリムトの「ベートーベン・フリーズ」を観ること。これは、分離派会館(セセッシオン)という施設で見られます。ベートーベンに捧げられた展覧会にクリムトが描いた壁画で、クリムト独特の解釈でベートーベンの第九を表現したものだそうです。
クリムトらしいゴールドと世紀末的で退廃的なイメージの作品でしたが、凡庸な猫のたまには難しすぎる解釈と表現でした。

この時は、ベートーベンミュージアムにも行きました。ベートーベンは、ボン生まれのドイツ人ですが、音楽家としての人生の大半はウィーンで過ごしました。
ミュージアムはウィーン郊外のホイリゲという居酒屋が集まるエリアがあります。猫のたまは、それまで、ベートーベンについて深く考えたことはなかったのですが、ミュージアムでその生い立ちや人となりの一端に触れ、あの、人々を感動させる音楽を作曲した訳を知ることができた気がします。
愛と苦悩、野心に満ちた人生だったからこそ、奏でられる音楽だったんだね、と猫なりに納得しました。


さて、「ホイリゲ」とは、「今年の」という意味があるそうです。ホイリゲの周りにはワイン畑が広がり、言葉通り、新酒のワインを提供しています。微炭酸の白ワインや、ちょっと若い赤ワイン。そして、お食事は、ウィーン名物のウィンナーシュニツェルやソーセージなど、ブッフェ形式で提供している居酒屋が多いようです。ホイリゲ自体がオーストリアの無形文遺産に登録されているほど。ホイリゲって「文化」なんですね。


たまのプロフィール
船橋にあるトラベルサロンの飼い猫で、親切な社長に拾ってもらいました。前職はヨーロッパのとある国の観光プロモーションの仕事を30年以上続けていた旅好き、鉄道好き、手芸好き猫。ブログで旅日記を掲載中。