こんにちは、猫のたまです。
今月は、「ヨーロッパの美しい村」編をお届けしています。
最初に訪れた「美しい村」は、イタリアのチヴィタ・ディ・バニョレージョ(Civita di Bagnoregio)。聞いたこともない村でしたが、写真を見て、「絶対、ここに行きたい!」と思いました。ローマ国際空港から車で約1時間の場所にある小さな美しい村です。
2500年という古い歴史を持つ、要塞のように作られた村ですが、自然による侵食によって年月と共に崩れていくという、本当に滅びゆく村なのです。猫のたまが訪れた2016年当時、村の人口は僅か11人。夏場はホテルなどが営業するので200人くらいに増えると言っていましたが、たまが訪れた5月は観光客もまばらで閉まっているレストランも結構ありました。
ここではホテルを探すのに苦労しました。結局、チヴィタ近くのアグリツーズモという農家を改造した宿泊施設に宿泊。近くにはレストランもないので、スーパーで食材を買って、備え付きのキッチンで夕食を調理。隣接する牧場には山羊も放牧されていてのどかな雰囲気でした。
翌日、タクシーで、チヴィタ・ディ・バニョレージョの入り口まで。2016年当時で3ユーロほどの入村料を払いました。今や観光資源以外の産業はなく、この圧倒的なスケールに比べて安い入村料だと思いました。村へ通じる橋は、傾斜がかなりきつく感覚的には滑り台に近いものがありました。
村の中は、中世の面影がそのまま残っています。小さな広場、教会、レストランなどがあって、15分ほどあれば一周できてしまいます。村の反対側にいくと、確かに侵食している跡があり、本当に「滅びゆく村」なんだなあ、というのを実感します。次に来る時にこの村はまだあるだろうか、と思いながら、チヴィタ・ディ・バニョレージョを後にしたのでした。
次に目指すのは、スロベニアのピラン。
その為には、まず、タクシーで最寄りのオルヴィエート駅まで移動。さて、ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。実は、「鉄道旅」と言っておきながら、イタリアに着いてからまだ鉄道に乗っていないのです。ローマ空港からチヴィタ・ディ・バニョレージョまではタクシー。そして、オルヴィエート駅までもタクシー。路線バスもあるのですが、やはり、時間が勿体ないということで、タクシーにしました。で、やっとオルヴィエートから鉄道に乗れることになったのですが、同行の皆さんは、何しろ鉄分が高い鉄道好きの面々。駅に着いたら大はしゃぎ、乗る列車が来たら大はしゃぎ、としているうちに、大事な事を忘れていたのです。そして、事件は起こりました。
イタリアにしては珍しく、その時は、発車してすぐに車掌さんが検札に来たのです。ユーレイルパスは、乗車前に乗車日をチケットに手書きで記載するのが原則なのですが、はしゃぎすぎてそれをうっかり失念した一人が車掌に捕まり、何と罰金を取られてしまったのです(確か50ユーロ位だったかと思います)。普通は、注意されるだけで終わることが多い出来事なのですが、規則は規則。その時は運が悪かったとしか言いようがありません。現在、ユーレイルパスはアプリになっているので、そのような事態は起きないようです。デジタルになったメリットの一つですね。
All Photos Thanks to: ©️Hironori Shikano